トップページ > 投資家の方へ > トップインタビュー

投資家の方へ

トップインタビュー

トップインタビュー

倉会長兼社長に聞く 一問一答

代表取締役会長兼社長 倉 正治
株式会社クラウディアホールディングス
代表取締役会長兼社長
倉 正治
Q1ブライダル業界の市場動向について教えてください。
現在のブライダル業界全般の市況については、コロナ禍を背景とする低迷からの急速な回復期を経て、コロナ禍前の水準に向かっての緩やかな回復期に入りつつある状況と言えるでしょう。当社におきましても、前期から当期(2021年9月から2023年8月)にかけての2年間は、コロナ禍の影響で挙式の実施を踏みとどまった、いわゆる「延期組」を含む、エンドユーザーの結婚式実施意欲の回復に後押しされる形で業績の回復を遂げてまいりました。こうした特需はすでに一巡したと考えられることから、ブライダル市場は今後、緩やかに回復しながら本来の市場規模に収束していくと予想されます。社会情勢については、日常生活におけるコロナ禍の影響が徐々に薄れるとともに個人消費の回復が期待される一方で、物価の高騰や世界情勢、気候変動の影響など不安要素も依然として存在しますが、ブライダル業界においては、コロナ禍を経て、状況変化への対応力を強化した企業が今後の市場を牽引していくことになると考えられます。
Q2当期の事業の状況・業績について お聞かせください。
上記の市場動向を背景に、当社の第47期(2023年8月期)の連結業績は、売上高11,521百万円(前年同期比21.2%増)、営業利益553百万円(431.8%増)、経常利益617百万円(同10.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益562百万円(同31.8%減)となり、いずれも6月に公表した業績の修正予想値を上回る結果となりました。経常利益、当期純利益の減益は、おもに助成金収入の減少と為替差益の減少、ならびに減損損失の計上や税金費用の増加の影響によるものです。当期の売上は年間を通じて順調に推移しましたが、特にホールセール事業の製・商品売上の回復が顕著となりました。また、リゾート挙式事業におきましては、ハワイの動きが鈍化している中、沖縄リゾート挙式の売上が躍進いたしました。事業展開といたしましては、直営フォトスタジオ「リトル・マーサ 横浜店」(横浜市)の開業や式場施設のリニューアルなど、アフターコロナの需要を見据えた先行投資を推進いたしました。
Q3コロナ禍を経た、挙式に対する消費者意識の変化を踏まえ、今後の施策をお聞かせください。
挙式に対するエンドユーザーの意識は、コロナ禍以前から常に変化し続けています。コロナ禍で「結婚」という節目のセレモニーにも制限がかかったことにより、これだけは譲れないという明確な希望を持って臨む方が増える傾向にあるようです。また、会場選びの手法が式場見学からSNSやウェブ媒体を通じた情報収集へと移行し、こだわり実現のための情報をよりピンポイントで入手できるようになったことも、この傾向に拍車をかけているものと思われます。こうした背景を踏まえ、当社でもエンドユーザーの「こだわり」にヒットする新たな商品・サービスの開発とプロモーションに注力しております。一例として、新規オープンしたフォトスタジオ「リトル・マーサ 横浜店」では、趣向を凝らしたスタジオや港町横浜ならではのフォトプランに加え、当社で取り扱う人気ドレスブランドの世界観を再現したコンセプトフォトの撮影を打ち出し、受注は好調に推移しております。
Q4DX化の取組みとその狙いについてお聞かせください。
リース事業部の在庫ならびに物流管理におけるRFIDの導入と、衣裳事業ほかコンシューマー事業部門の店舗で使用されている顧客・売上管理システムのリニューアルを行いました。特に、膨大な在庫を抱えるリース事業部におけるRFIDの導入は画期的な試みとなりました。リース事業部ではかつて、商品のピッキング、出荷から使用後の着荷受入れ、検品、メンテナンス、保管場への返却まで、すべての工程管理を人の手と目で行っていましたが、RFIDの導入により、ICタグの読み取り一つで在庫商品の所在や作業工程の把握が可能となって業務効率が大幅に向上いたしました。DX化の狙いは「業務効率のアップ」に帰着しますが、これにより本来の業務に集中できる、業務上のストレスが軽減される、お客様からのクレームが減少する、といった副次効果が生まれ、ひいてはより良い労働環境が実現されるものと期待しております。

※非接触型の自動認識システム

Q5今後の市場動向・来期の業績予想について教えてください。
第48期(2024年8月期)の連結業績につきましては、売上高12,500百万円(前年同期比8.5%増)、営業利益600百万円(同8.4%増)、経常利益570百万円(同7.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益500百万円(同11.0%減)を計画いたしております。今後のブライダル市場の動向につきましては、先にも申し上げました通り、特需が落ち着き水平飛行となりますが、エンドユーザーの挙式実施意欲は引き続き回復傾向となり、市場は緩やかな成長が続くと予想されることから、来期も売上高は増加を見込んでおります。当社の全事業領域の中で回復の遅れが目立つハワイのリゾート挙式事業ですが、当期の終盤より再稼働の動きが見えてきたことから、来期は回復に向けたステップの年となることを期待しております。また全社共通の認識として「単価アップ」を目標に設定し、付加価値の高い商品を適正価格で提供することによる収益の増加を目指します。
Q6最後に株主様へのメッセージをお願いします。
株主の皆様にはご高配を賜り、心より御礼申し上げます。当期は、計画を上回る増収と、利益計上のご報告をもって締めくくることができました。期中におきましては、ブライダル市場の復調に比例し、当社の業績回復とともに株価に値動きが見られたことから、例年を上回る多くの投資家の皆様からお問い合わせを頂戴いたしました。当社にご関心をお持ちいただき、大変ありがたく存じます。コロナ禍による低迷期を乗り切り、市場に回復の兆しが見えたことから、当社では前期より徐々に人的投資と設備投資の活性化を進めております。アフターコロナの需要を見据え、当期までに実施した新規店等への先行投資の成果が現れる来期は、今後のコスト先行の施策の成否を占う重要な年となります。株主の皆様には引き続きご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

このページのトップへ